書籍 「「文明論之概略」を読む 上」 (6)2009年08月01日 10時17分59秒

 書籍を購入して、じっくりと読んでいる書籍です。著者の解説があるが、やはり難しいです。

 「第四講 自由は多事争論の間に生ず」

 福沢は、文明の進歩は人間の社会活動が多様化することにより、社会的価値も単一性が崩され、それが自由の素因になることを説明していきます。どんな内容の思想であれ、他の思想に対する自由と寛容というテーマまで話が広がっています。

 どんなに純正で善良な思想であっても、その思想が政治権力と合体して正統とされたとくは、思想的な自由が原理的に生じなくなります。その思想の中で考え、判断していくことになります。そのため、権力によって容認されている限り許される社会になってしまう。

 自由の気風は多事争論の中からしか出てこない。必ず反対意見が自由に発言でき、少数意見の権利が保証されるところからのみ存在する。特定の思想内容に係わらない、いかなる説でも自由に表明されることです。

 社会制度からすると、江戸時代の方がかえって自由であったという説もある。明治以後は、明治天皇制国家で、権力、尊敬、富などが一箇所に集まるような制度になってしまい、価値は分散している方がいいという福沢の一般原則と合わなくなっています。そのため、文明と国体という課題に話を深めていく必要がでてきます。次の講では、国体とは何かという課題について書かれてあるようです。

 この講では、中国やヨーロッパとの比較も多くされてあります。文章の量は多くないのですが、福沢が取り組みテーマの導入部になるような感じがしました。結局、文明という大きなテーマから、表現が難しい国体論をすることになります。

 「「文明論之概略」を読む 上」、丸山 真男、岩波新書

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