書籍 「ローマ人の物語 12 ユリウス・カエサル ルビコン以後(中)」2009年08月17日 05時45分17秒

 この書籍は、図書館から借りて読んでいる書籍です。

 ユリウス・カエサルは、エジプト、小アジアからローマに戻ってきます。政治を任されていたアントニウスは、軍事には向いていたのかもしれませんが、政治には失政を繰り返します。ローマに戻ってきた独裁官と執政官を兼務するカエサルの同僚として、レピドゥスが選出されます。カエサルは、アントニウスの才能の限界に気がついていたようです。

 カエサルは、ポンペイウス派の残党が集まっている北アフリカへ行きます。北アフリカの地、タプソスで紀元前46年にヌミディア王も巻き込んだ会戦が行われます。カエサルの勝利でローマに戻ります。そして、国家改造が行われていきます。

 54歳を迎えたカエサルは、新秩序のモットーとして、「寛容」をかかげます。カエサルに対して国家の敵として元老院最終勧告を行った者たちを処罰しませんでした。まず、カエサルは文化が異種共存でも文明は共通のものをもたなければならないとの考えで、ローマ世界どこででも利用できる暦を、エジプト人やギリシア人に検討させ、「ユリウス暦」を完成させます。紀元前36年に太陽暦が使われることになりました。

 それ以後、このユリウス暦は、ヨーロッパ、中東を中心にして、1627年間も使用されるようになります。このユリウス暦も、各属州、各民族で慣れ親しんでいる旧暦を利用することも認めており、併用方式が生活様式になっていきます。

 この頃のカエサルは、ローマのこれ以上の領土拡大は現実的でないと考えていたようです。これからは、ローマによる秩序、平和、生活大国の実現を実行していきます。そのためには、元老院主導のローマ型共和政ではなく、帝政が適していると考えます。まず、ガリア、ゲルマン、スペイン人に対して、ローマの市民権を与えて行きます。そして、元老院の人数も、600人から900人に増加します。新たにガリアの族長などが元老院議員になりました。カエサルは、終身独裁官になります。

 終身独裁官になったカエサルは、奴隷解放、解放奴隷の議員や行政担当者に開放していきます。さらに国有の造幣局を作り、その造幣局の初代委員に解放奴隷を登用しました。社会福祉については、生活給付の水準を明確化し、厳密に調査するように査定方式を実施します。それにより、給付を受ける総数を半減することができた。そして、失業対策、殖民対策を行い、属州でのインフラ整備、農地の開墾などを行っていきます。

 「ローマ人の物語 12 ユリウス・カエサル ルビコン以後(中)」、塩野 七生、新潮文庫