書籍 「資本主義はなぜ自壊したのか」 (1) ― 2009年08月31日 05時40分29秒
発売から話題になっていた書籍で、購入してよもうかと迷ったのですが、図書館にあることがわかったので、借りて読むことにしました。しかし、すでに非常に多くの予約があり、3月ごろに予約をして、やっと今月に借りることができました。
著者は、よくTVに出てコメントや解説をしいるため、著者の話を聞くことは多いです。この書籍の内容も、TVに取り上げられて説明していました。序論において、著者の思いと、この書籍の概略が書かれてあります。
グローバル資本主義や市場原理が本質的に個人と個人のつながりや絆を破壊し、社会的価値の破壊をもたらす。さらに小さい政府や自己責任といった公共よりも私的利益を重視した新自由主義やグローバル資本主義の欠点を是正するための方策を提言する。格差を拡大し、日本社会が大切に育ててきた社会的価値を破壊するような改革にはもはや賛成できなくなった。必要な改革はあるけれど、アメリカの弱者切捨ての改革は反対する必要がある。
著者の若い頃のアメリカ留学から話が書かれてあります。その頃のアメリカの様子が生々しく書かれてあり、いまのアメリカのイメージと異なる感じがします。アメリカも中流階級が多く、まさに平均的な家族、幸せというような感じであり、その後、日本もアメリカの後に追随して、平凡な家庭が多く存在していた時代になっていったように感じます。この時代は、アメリカも日本も政府介入により所得再分配を行っていた。そのため、中流階級がもっとも多くなり、この生活が普通に感じられていた。
しかし、アメリカ人も最近まで誤解していたようであるが、アメリカが豊かな社会を作ることができたのは、自由競争、自己責任だからではなかった。経済活動を自由競争に委ねると格差が拡大するなど、社会安定性が損なわれ、結果的に豊かな社会は作れない。アメリカ人の誤解は、さらにアメリカンドリームに酔っている。アメリカンドリームでは、万に一つの成功者しか輩出できない、真に豊かな社会にすることはできない。
1970年代にケインズ経済は後退し、新自由主義のレーガン政権が誕生します。そして、レーガノミックスが登場し、アメリカの格差拡大が急激に進んできます。最近の研究では、アメリカ経済政策は約30年の循環を繰り返し、適切な政府介入が行われた時期は社会活動がよいことが明らかになっているようです。
「資本主義はなぜ自壊したのか」、中谷 巌、集英社