書籍 「罪と罰 3」 (3) ― 2009年08月08日 10時31分07秒
先月、罪と罰の書籍が発刊しました。早速、読みましたが、感想を書くまで時間がかかってしまいました。
エピローグ
主人公のラスコーリニコフには、自首の事実といくつかの情状酌量に値する事実が尊重されて、第2級強制労働、8年の判決が下ります。そして、ラスコーリニコフは護送されますが、その護送にソフィヤも付いて行きます。そして、二人が旅立った後に、友人のラズミーヒンと妹のドゥーニャは結婚します。その結婚式には、ラスコーリニコフの予審判事のポルフィーリーやザメートフらもよびました。将来は、シベリヤで、ラスコーリニコフらと一緒に暮らしていくことを考えていました。
一方、ラスコーリニコフは、自分の罪を認めているのは、自分が踏ん張りきれずに自首してしまったという点でした。しかし、自分はなぜ自殺しなかったのかという疑問に苦しめられます。そして、本能という断ち切ることのできない重い物を知ります。さらに、囚人らが外の自由な世界にいたころよりも、はるかに生活を愛し、大切に尊重しているように見えてきます。
ラスコーリニコフとソフィヤは川岸で会います。ラスコーリニコフは、ソフィヤのことを考えます。ソフィヤは、ラスコーリニコフの人生のみをよりどころとして生きていこうとしていることに気がつきます。そして、まだ7年の刑期が残されているが、その間、どれほどの耐え難い苦しみと、計り知れない幸せがあることにを知ります。ソフィヤも、ラスコーリニコフが自分を限りなく愛していることを感じ、彼女の目に幸せが輝きます。
その日の夜、監獄の門が閉じられてから、ラスコーリニコフは、これからはソフィヤの苦しみのすべてを、かぎりない愛であがなっていこうとしていることに気がつきます。
この書籍の最後後の文章では、「もう新しい物語がはじまっている。ひとりの人間が少しずつ更正していく物語、その人間がしだいに生まれ変わり、ひとつの世界から他の世界へと少しずつ移り変わり、これまでとまったく知られることのなかった現実を知る物語である。」
エピローグまで読まないと、この小説が終わっていない感じがしました。ラスコーリニコフとソフィヤは、シベリアの地で、いままで知らなかった他の世界へ進むことを決心していることが感じられます。
「罪と罰 3」、フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(亀山 郁夫)、光文社古典新訳文庫