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書籍 「愛するということ」2014年04月26日 13時43分58秒

 NHKテキストを読んで、書籍を読みたくなったので、早速、購入して読みました。この書籍は、いままでに読んだ中でも非常に重要な書籍に感じました。

 どうすれば愛することができるのか、その訓練の方法が最終の章に書かれてあります。

まず、規律が必要であり、現代人は仕事などで自分の目標や意思ではない活動をしている。その時間外では、反動に自分を甘やかすという子供のようなことをしている。そのため、規律に不信感を持っているが、規律がなかったら人生が破壊され、混沌となってしまう。

 集中の技術が、必要不可欠である。現代社会は、まとまりを欠いた散漫な生活を助長している。何をするのも精神を集中させて行うように心がける。例えば、他人の話を、精神を集中させて聞くことである。そして、自分自身に敏感になることが大切である。気分などや活動するときに、自問することが重要である。

 そして、忍耐が必要である。人間の価値はますます経済的価値によって評価されるようになってきている。生活のあらゆる場面で、規律、集中力、忍耐を積まなければならない。そして客観性と理性を身に着ける。しかし、それだけでは、まだ半分しかない。

 自分自身を「信じている」者だけが、他人に対して誠実になれる。自分は将来も自分が予想したように感じ、行動するだろうと確信を持っていなければ、約束することができない。自分自身の愛に対する信念につながる。安心と安全こそが人生の第一条件だという人は、信念をもつことができない。殻の中に閉じこもり、自分の所有物にしがみつくことで、自分で自分を囚人にしてしまう。

 信念と勇気の習練には、自分がどんな時にずるい立ち回りをするのか調べることで向上することができる。そうしないと信念に背くことで自分が弱くなるという悪循環になる。「人は意識の上では愛されないことを恐れているが、ほんとうは無意識のなかで愛することを恐れている。」ということに気が付く。愛するということは、何の保証ないのに行動することであり、愛するとは信念の行為である。わずかしか信念を持っていない人は、わずかしか愛することができない。

 人を愛するためには、精神を集中させて、意識を覚醒させ、生命力を高めなければならない。そして、生活の他の多くも面でも生産的かつ能動的でなければならない。愛に対して以外にも生産的でなければ、愛においても生産的になれない。

 書籍では、社会構造など話は広がっていて、やはり何度も繰り返して読みたい書籍に感じました。他のエーリッヒ・フロムの書籍も読んでみようと思っています。

「愛するということ」、エーリッヒ・フロム、紀伊国屋書店

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