書籍 「論理哲学論考」 ― 2014年04月19日 15時24分16秒

光文社古典新訳文庫のホームページで、新たな書籍が発刊されているのを知ったので、早速、購入して読みました。
はじめに訳者の解説があります。これがあることで、実際の文章を読むときに助かります。最初から本文のみだと読まないと思いました。
気になった内容としては、論理はすべての法則性で示すことのできる世界を築くが、その法則性の外側の世界では論理ではなく偶然が占める世界であり、その境界が存在する。論考は、「語りえもの」の境界を定めることにより、「語りえないもの」の境界を内側から限界づけようとしている。論考は、まず思想の表現に限界を引いて、「語りえないもの」を示そうとしている。
途中の文章は、言葉が数式になった感じです。非常に難解です。最後は生死の問題になります。生死は、いつも哲学で議論することになる課題だと思います。そして、書籍の最後で「語ることのできないことについては、沈黙するしかない」と終わります。
哲学を研究している人や、自然科学を研究している人は、世界の果てを調べるということは、どういうことなのかを考える上ではいいかもしれません。あまり一般向け書籍には感じませんでした。
「論理哲学論考」、ヴィトゲンシュタイン、丘沢静也、光文社古典新訳文庫