雑誌 「日経サイエンス 2014(3)」 ― 2014年04月13日 08時19分02秒

重力波天文学の記事があり、奥飛騨の鉱山跡で重力波望遠鏡の建設の内容がありました。中性子性の衝突や超新星爆発などで周囲の重力場が激しく変動し、そのゆらぎが「重力波」となって光速で四方に伝わっていくと考えられています。その重力波による空間の伸び縮を捉えようとしています。
「血液脳関門をこじ開ける」の記事は面白かったです。脳の血管には、構造は普通の血管であるが、脳関門という特殊な性質を備えた血管になっており、内壁を覆う細胞が非常に密につながっており、一部の物質しか脳組織に通さないように制御している。脳関門自体は、常に活動しており、細胞同士が情報交換し、どの分子をブロックし、どの分子を通すのか決めている。脳関門の仕組みを理解することで、脳の治療に役に立つと考えられている。すでに薬が通過するときだけ脳関門を安全に開くという、かつて考えられなかったアイデアが書かれてありました。
「グーグル効果 ネットが変える脳」の記事は、興味深かったです。誰でも必要な時に情報を得られれば、記憶ということが必要なくなる。物事を覚えるということから解放されたとき、人間は新たに利用可能となった知的リソースを何かの仕事に利用していくことになる。おそらく個々の精神の創造性とインターネットの幅広い知識が融合し、知能と機械の間の境界線があいまになっていく。そして、人間の記憶と指向の限界を超えられる時代がくるかもしれない。グーグルの取り組みに関して肯定的な記事でしたが、これからの時代、この記事を読んで大きく変化していく感じがしました。