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書籍 「プロタゴラス」2011年02月21日 23時26分42秒

 図書館で借りて読んだ書籍です。哲学書にしては、薄くて、読みやすいように感じたので、借りて読むことにしました。

著者のプラトンは、紀元前427年に古代ギリシャの都市国家アテネの名門の家系に生まれ、ソクラテスに師事します。そして、ソクラテスを主人公にした作品を書いています。その作品の特徴は、対話論という独特の書き方で、ソクラテスを中心とする登場人物たちが様々なテーマに対して議論しています。

 書籍「プロタゴラス」は、古代ギリシャの都市国家アテネを舞台に、アテネの哲学者ソクラテスと、ソフィストの大物プロタゴラスとの間に繰り広げられる、徳(アレテー)をめぐる対話の様子を描いた物語です。

 徳(アレテー)は、人間が持つ道徳的高尚さだけでなく、他の動物にもそれぞれの固有のアレテーがあり、道具にも固有のアレテーがあります。解説を読んで、時代背景などをしっかりと知っておくと書籍の面白さがでてきます。

 実際の内容では、ソクラテスとプロタゴラスが徳(アレテー)について議論をはじめます。そして、話が進んでいるようで、反転したりして、かなり複雑な問答に感じますが、それぞれの主張が次第にずれています。

 ソクラテスとプロタゴラスが対話をしながら、自分の得意な分野に話を持っていこうとしますが両者は巧みに議論しながら、話を進めていき、さらに対話を聞いている聴衆も巻き込みながら話が進みます。

 ソクラテスとプロタゴラスが対話のはじまりで主張していたことが、入れ替わっていることに気が付いて、会話を止めます。両者は都合があることを理由にして、対話を終了することにします。

 結局、この書籍では徳(アレテー)についての結論は出ずに、また会う約束をして終わってしまいます。終わりは不思議な感じで、ただ、会話の内容は実際にその場にいるような感じで、当時のアテネの雰囲気が感じられます。

 また、この当時の古代ギリシャはもっとも栄えた時代で、様々な国からアテネに人が来ていたようで、知の創造というような印象です。他にもプラトンの書籍を読んでみたくなりました。

書籍 「プロタゴラス」、プラトン(中澤 務)、光文社古典新訳文庫

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