書籍 「ローマ人の物語 14 パクス・ロマーナ (上)」 (2) ― 2009年09月13日 06時45分51秒
この書籍は、図書館から借りて読んでいる書籍です。著者も書籍の中で説明していますが、オクタヴィアヌスは派手な活動がないため、あまり書くことがないようです。しかし、今後のローマ帝政時代の基礎を築いた人物であるため、ローマ人の物語では、3冊に分けて、この人物と時代のことが書いてあります。
防衛や安全保障の概念は、ローマ時代からあり、ラテン語ではセクリタスと言い、後に英語のセキュリティーの語源になっています。ローマ史の場合、共和政時代が非拡張主義で、帝政時代が拡張主義だと思ってしまうと完全に誤ってしまう。帝政時代は、ローマの統治地域を防衛することを目指します。そのため、ローマ史上、はじめて常設軍を設けます。さらに、アウグストゥスは、属州地区での課税も公平化や集めた税金の活用やりやすいことから、いまの国税庁を創設します。
アウグストゥスは、継続してきた執政官を、突然、辞任することを告げます。そして、執政官を辞任するにあたり、元老院へ護民官特権を要求し、元老院は深く考えることもなく申し出に賛成します。これで執政官を決めるための選挙も行われ、ローマの共和政の復帰だと思われていました。しかし、護民官の特権には、拒否権というものがありました。それは、拒否権を使うことで、執政官や元老院が決議したものを白紙にすることができました。これが、帝政への大きな道筋になっているようです。おそらく、次の15巻で、アウグストゥスが何を行うのかが楽しみです。
アウグストゥスは、カエサルが手懸けたけていた通貨改革も行っています。それまでのローマでは、銀貨と銅貨が中心でした。それに金貨を加えて、金銀銅の三種類の硬貨を整え、額面価値と素材価値を合わせるようにしました。さらに、選挙改革を行い、従来は首都ローマの都市に来て投票していたのを、地域を区切り、選挙区を分けて、その地区で投票することができるようにした。いまの不在者投票も可能にした。アウグストゥスは、周辺諸国を巡り、ローマの防衛戦の確立を行います。
この書籍では、大きな戦闘がなく、アウグストゥスの政策の内容が多くなっています。それだけ、書籍のタイトルのように平和な時代になっていることがわかります。
「ローマ人の物語 14 パクス・ロマーナ (上)」、塩野 七生、新潮文庫