カウンター

書籍「スパイダー・ネットワーク」2021年01月24日 12時05分58秒

 LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の利用が停止される。その要因は、LIBORが不正操作されて、金融業界や様々な契約に影響を及ぼすことになった。不正操作をしていたというの話は聞いたことがあるが、どのようなやり方で、どのような人々が行っていたのかは知りませんでした。

 書籍は、LIBORが不正操作の状況が描かれてあり、東京などからロンドン市場を制御していたことも描かれてあります。当然、ロンドンと同様に東京にもTIBOR(東京銀行間取引金利)がありますが、それらも制御して、実際の数値とは異なる数値での取引をしたりしていました。

 2012年、元東京駐在の外資系投資銀行トレーダー、トム・ヘイズが逮捕されましたが、意外にも、最初に罰を与えたのは日本の金融庁でした。書籍では描かれていませんが、意外に金融庁は、トム・ヘイズが行ったことに気が付いていたのかもしれません。書籍では日本のことが少なく、丸の内付近の話などしかでてきません。

 不正で、銀行とヘイズらが莫大な利益と報酬を手に入れた一方、世界の金融市場は破綻し、罪なき一般投資家が猛烈な打撃を受けていたことは事実です。最後は意外な感じでした。不正をした関係者が全員一網打尽で捕まるのかと思っていましたが、そこはイギリスの司法などの複雑な流れもあります。

金融のロンドンというイメージが、これからは大きく変わっていくのを感じられます。イギリスは金融で儲けてきたが、これからは難しくなっていきように思えます。さらにLIBORに代わるものは何になるのかも注しながら金融を見ていこうと思っています。面白い書籍でした。

「スパイダー・ネットワーク」、デイヴィッド・エンリッチ(高崎拓哉)、ハーパーコリンズ・ジャパン

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
いまの年号を漢字二文字

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://investment.asablo.jp/blog/2021/01/24/9340526/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。

Google
WWW を検索 investment.asablo を検索