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豊田市能楽堂 能「殺生石 女体」(金剛流)2017年10月09日 16時45分50秒

 能の内容は有名でした。

高僧が那須野の原(栃木県那須)を通りかかります。ある石の周囲を飛ぶ鳥が落ちるのを見て、不審に思っていると、ひとりの女が現れ、その石は殺生石といって近づく生き物を殺してしまうから近寄ってはいけないと教えます。女は殺生石の由来を語ります。

鳥羽の院の時代に、玉藻の前という宮廷女官がいた。才色兼備の玉藻の前は鳥羽の院の寵愛を受けたが、狐の化け物であることを陰陽師の安倍泰成に見破られ、正体を現して那須野の原まで逃げたが、ついに討たれてしまう。その魂が残って巨石に取り憑き、殺生石となった

石魂を仏道に導いてやろうと法事を執り行います。すると石が割れて、精霊が姿を現します。精霊は、「天竺(インド)、唐(中国)、日本をまたにかけて、世に乱れをもたらしてきたが、安倍泰成に調伏され、那須野の原に逃げてきたところを、三浦の介(みうらのすけ)、上総の介(かずさのずけ)の二人が指揮する狩人たちに追われ、ついに射伏せられて那須野の原の露と消えた。

以来、殺生石となって人を殺して何年も過ごしてきた」と、これまでを振り返ります。そして今、有難い仏法を授けられたからには、もはや悪事はいたしませんと、固い約束を結んだ石となって、鬼神、精霊は消えていきます。

特殊演出になっているので、石から現れた姿は女性でした。この能だと、妖精の姿よりは、女性の方がいいかもしれません。動きもあり、楽しめる能になっています。

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