書籍 「ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件」 ― 2013年02月12日 21時12分45秒
ベストセラーの書籍ですが、購入していて読まずにずっと本棚に置いてあった書籍です。最近になり電子書籍で発刊されたのを知り、以前に購入していたのを思い出しました。そして、先週、本棚の奥から取り出してきて、土日で読みました。
書籍の内容は、会社が利益を上げて継続的に維持していくためには、ストーリーがあり、戦略があることが書かれてあります。競争戦略は、「誰に」、「何を」、「どうやって」、提供するのかについての企業の様々な「打ち手」で構成されています。それらの打ち手が、つながり、組み合わさり、相互作用することで長期な利益が実現されます。書籍では、「なぜその事業が競争の中で、他社が達成できない価値を生み出すのか」、「なぜ利益をもたらすのか」が説明しています。そして、それらの内容を実例と共に紹介しています。
書籍を読んで、成功するためには「先見の明」が必要だと思っていましたが、もちろんあった方がいいのですが、ストーリーとしての戦略の場合、「先見の明」という論理に拘ると、本当の意味での独自の戦略ストーリーが出てこないことが書かれてあります。意外な感じがしましたが、理由がうまく書かれてあります。
長期的な利益を獲得するためには、人間の変わらない本性を捉えた事業であることが重要であり、環境などにより変わることを事業としていると影響を受けることになります。そのため、変わらないものとしての「人間の本性」をとらえたものである必要があります。
またストーリー全体では、合理性を持つクリティカル・コアは、部分的な合理性と全体の合理性が別物でることが書かれてあります。部分的な非合理を要素として、つなげたり、組み合わせることでストーリー全体としては合理性を獲得するというものです。
戦略とは、将来の世の中や環境が「このようになるだろう」という予測ではありません。自分たちが世の中を「こうしよう」という主体的な意図からで、なぜを突き詰めることが必要であることが書かれてあります。
様々な事例があるために、書籍の分量は多いいですが、内容はそれほど多くない感じがします。しっかりと読めば、かなり利用できる感じがします。単なる企業としての戦略だけでなく、もうすこし小さい範囲の仕事においても、うまく物事を進める上で戦略を立てるときに利用できるように思います。
ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件、楠木 建、東洋経済新報社