書籍 「ドストエフスキーと父親殺し/不気味なもの」 (3) ― 2011年04月02日 11時35分13秒
購入して読んでいる書籍です。書籍のタイトルにもある「ドストエフスキーと父親殺し」が最終章になっています。
ドストエフスキーを四つの顔に分けて、さらに人格構造を議論していく内容になっています。ドストエフスキーの家族との関係にも説明が進展していきます。
フロイトの超自我では当然、両親の影響を受けて、自我は超自我、外界の影響を受けます。超自我と自我の成長のプロセスの説明があり、ドストエフスキーを例に上げての説明が続きます。
父殺しの三大傑作として、ソフォクレス「オイディプス王」、シェイクスピア「ハムレット」、ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」で、父親殺しの動機が、一人の女性をめぐる性的なライヴァル関係にあることから発生している。フロイトは、精神分析で、主人公が父親を殺害する意図を明確にしよとしている。
とくに「カラマーゾフの兄弟」では、犯罪を実行したスメルジャコフが普通では犯人であるが、フロイトは、この犯罪を心のうちで望んでいたのは誰なのか、犯行が実行され喝采したのは誰か、結局はすべての兄弟の全員が心理学的には有罪であると述べています。よく言われる話は、このフロイトの言葉から来ているのかと思いました。
この章の最後のほうに賭博とオナニーに関係について述べられてあり、大人の賭博への熱中は、かつてのオナニー衝動の代替物であり、賭博とオナニーに共通していることは、誘惑の抗しがたさ、二度としないという決意が守られない、快感があるとしています。
幼年期や思春期の自己愛的な満足であるオナニーが重要な役割を果たしており、オナニーをやめさせようとする努力が父親への恐怖と関係があることは知られているとの説明で、内容が終わります。
「カラマーゾフの兄弟」、ドストエフスキーの話から、どんどん広がっていく感じです。書籍の本文を読んだだけでは、難しい内容です。解説を読むと、フロイトの言いたかったことがより分かりやすくなっていますが、解説の紙面も限られており、他の書籍を読まないとわからない感じです。
「ドストエフスキーと父親殺し/不気味なもの」、ジークムント・フロイト(中山 元)、光文社古典新訳文庫