短編小説「思い出の箱」 ― 2007年09月20日 21時36分27秒
文章塾 第19回投稿作品
題名「思い出の箱」
10年前の約束で、3月20日の午前9:30に、
桜の木の下に成人した男女35人が集まった。
「第17期卒業生 思い出の箱」という小さな標識があったので、
卒業式の後に埋めたタイムカプセルの場所を簡単に見つけることができた。
私達が卒業した後に、鈴木先生が標識をつけてくれたようである。
鈴木先生は、私達が卒業して、2年後に「がん」で、
27年の短い生涯を終えてしまった。
標識を抜いて、掘り始めると、すぐに皆の思いが詰まった箱が表れ、
静まり返っていた校舎に驚きの声と歓声が響いた。
鈴木先生が用意してくれた箱の中は、小さい箱や袋でいっぱいになっていたが、
一番上に「成人した皆さんへ」と、手紙があった。
学級員だった佐藤さんが読み上げることになった。
皆さんへ
この手紙を開いているということは、私はもういないのですね。
ごめんなさい、「タイムカプセルをみんなで開ける」という約束は
果たせませんでした。
皆さんと過ごした日々から、10年経ったいま、
あらためて皆さんにお礼がいいたいです。
私にとって、皆さんと過ごした2年間は、生きていることを楽しむことができ、
生きていることが実感できた貴重な日々でした。
本当にありがとう。
10年後の皆さんに合えなかったのが、とても残念です。
人生は一度しかありません。
後悔のないよう、一生懸命に生きてください。
最後に、掘り出した箱などのごみ処分、掘った穴を埋めたり、
もう子供でないので、周りの人に迷惑をかけないようにしてください。
皆さんのご健康とご多幸を、心からお祈りしています。
さようなら
箱の中に、また一通の手紙を見つけた。
佐藤さんは、読むのを戸惑ったが、いっきに読み上げた。
えっちゃんへ
かわいい、えっちゃん、ずっと好きでした。僕と結婚してください。
加藤
思い出の箱を中心に、輪になっているなかで、顔を赤くしている二人がいた。
感情の起伏の大きい日は、ゆっくりと過ぎていった。
(文字数:787)
http://bunshoujuku.asablo.jp/blog/2007/09/18/1804097
題名「思い出の箱」
10年前の約束で、3月20日の午前9:30に、
桜の木の下に成人した男女35人が集まった。
「第17期卒業生 思い出の箱」という小さな標識があったので、
卒業式の後に埋めたタイムカプセルの場所を簡単に見つけることができた。
私達が卒業した後に、鈴木先生が標識をつけてくれたようである。
鈴木先生は、私達が卒業して、2年後に「がん」で、
27年の短い生涯を終えてしまった。
標識を抜いて、掘り始めると、すぐに皆の思いが詰まった箱が表れ、
静まり返っていた校舎に驚きの声と歓声が響いた。
鈴木先生が用意してくれた箱の中は、小さい箱や袋でいっぱいになっていたが、
一番上に「成人した皆さんへ」と、手紙があった。
学級員だった佐藤さんが読み上げることになった。
皆さんへ
この手紙を開いているということは、私はもういないのですね。
ごめんなさい、「タイムカプセルをみんなで開ける」という約束は
果たせませんでした。
皆さんと過ごした日々から、10年経ったいま、
あらためて皆さんにお礼がいいたいです。
私にとって、皆さんと過ごした2年間は、生きていることを楽しむことができ、
生きていることが実感できた貴重な日々でした。
本当にありがとう。
10年後の皆さんに合えなかったのが、とても残念です。
人生は一度しかありません。
後悔のないよう、一生懸命に生きてください。
最後に、掘り出した箱などのごみ処分、掘った穴を埋めたり、
もう子供でないので、周りの人に迷惑をかけないようにしてください。
皆さんのご健康とご多幸を、心からお祈りしています。
さようなら
箱の中に、また一通の手紙を見つけた。
佐藤さんは、読むのを戸惑ったが、いっきに読み上げた。
えっちゃんへ
かわいい、えっちゃん、ずっと好きでした。僕と結婚してください。
加藤
思い出の箱を中心に、輪になっているなかで、顔を赤くしている二人がいた。
感情の起伏の大きい日は、ゆっくりと過ぎていった。
(文字数:787)
http://bunshoujuku.asablo.jp/blog/2007/09/18/1804097