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書籍「日本を襲ったスペイン・インフルエンザ 人類とウイルスの第一次世界戦争」2020年06月29日 19時02分59秒

 新型コロナウイルスによる感染拡大で人々の生活が変化してきています。過去に人類が経験した世界的流行の危機と回復の時は、どのような状況であったのかが知りたくて、書籍等を探したところ、スペイン・インフルエンザに関する書籍がありました。

 書籍を読んでみるとスペイン・インフルエンザに関して、全然知らないことがばかりでした。まずは、スペイン・インフルエンザですが、名称のスペインは、あまり関係はなく、当時は第一次世界大戦中であり、どこの国もインフルエンザの人が多数発症していても大きな話題にはしなかった。ただし、第一次世界大戦において、スペインは中立国であり、自国においてインフルエンザが蔓延していることを報道したため、スペイン・インフルエンザというようになった。最初の発症は、アメリカ本土のアメリカの軍隊からのようです。

 当時は戦時中のためスペイン・インフルエンザに関する資料がなく、地方紙の新聞、その当時の日記などを丹念に調べて、死者や感染の状況を明らかにしている。著者の努力が感じる書籍であり、執念のようなものも感じます。そのため、非常に貴重な書籍に感じました。おそらく、書籍を読む人も、かなり少ないように感じますが、出版社はよく書籍を発刊したと思います。

 スペイン・インフルエンザでは、第一次世界大戦の戦死者の4倍の4000万人の命がなくなったと言われています。日本でも同時期に起こった災害の関東大震災の5倍、45万人の人が命を失ったと言われています。それなのにスペイン・インフルエンザに関することが、日本だけではなく、世界的に報じられることが少なく、残っている情報が少ない。なぜ、世界がスペイン・インフルエンザに対して向き合わなかったのかが書籍に書かれてあります。

 90年前にも日本の政府が、手洗い、うがい、マスク着用、人混みを避けるというのを励行しており、時代が変わっても同じなのだと感じました。

「日本を襲ったスペイン・インフルエンザ 人類とウイルスの第一次世界戦争」、速水融、藤原書店

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