書籍 「なぜ豊かな国と貧しい国が生まれたのか」 ― 2013年05月06日 05時33分19秒

新聞で書籍の宣伝を見て、タイトルが非常に気になりました。読みたくなったので、図書館で予約をして借りて読みました。
世界各国間の貧富を決める要素は何だったのかを、歴史、地理的側面、技術変化、経済政策、制度などを通して検討した内容です。著者は歴史を重視しています。歴史を学ぶことの意味は、現状を考え、さらに未来のあるべき姿を考えるためには欠かせないということが、はじめに書かれてありました。その歴史は、一国だけでは無理で、地球規模での歴史研究が重要であり、グローバル・ヒストリーの研究が必要であることが書かれてあります。
やはり気になった箇所では、アメリカがなぜ豊かな国になれて、遅れた日本も豊かな国になれたのか、インド、アフリカはなぜ貧しい国になってしまったのか、これからの中国は日本のように豊かな国になれるのか、などの内容が書かれてありました。
それぞれの大陸ごとで細かく説明があります。やはりアメリカとメキシコの違いなどから、アメリカが原住民を排除し、アフリカから奴隷を雇ったために、労働者層の教育水準の割合が高く、賃金も比較的高く、そのため、生産性を向上することができ、経済が発展していったことが書かれてあります。メキシコは、原住民の集まる地区とそうでない地区ができてしまい。原住民の賃金が上がらず、貧富の格差が生じ、教育が進まず、生産性も上がらないため経済の発展が遅れたことが書かれてありました。
教育した労働者がいると、生産性を上げるための行動をすることができます。この本で面白かったのは、なぜイギリスで産業革命が生じたのかの説明がよかったです。労働者の賃金が高い場合、生産性を上げなければ産業を続けることができません。そのためには、新たな手法を取り入れていくしかありません。
やはり日本は他国と比べて異質であることが感じられます。台湾や韓国は、日本の真似をして成長することができた。アフリカは部族間の関係が強く、これを断ち切らないと教育が進まず、生産性が上がらないため、資本も入ってきません。
この書籍の文章はわかりやすく開かれてあるのですが、全体として何かわかりにくいです。あまり頭の中に残っていない感じです。数字の説明が多いいがグラフがないためなのか、読んでいて、ただ文章を読んでいるような感じになってしまいました。
「なぜ豊かな国と貧しい国が生まれたのか」、ロバート・C.アレン、グローバル経済史研究会、NTT出版