書籍 「「文明論之概略」を読む 上」 (5)2009年07月19日 07時09分07秒

 書籍を購入して、じっくりと読んでいる書籍です。著者の解説があるが、やはり難しいです。

 「第三講 西洋文明の進歩とは何か」

 日本が緊急にめざすことは何か、西洋文明を目的とすることである。だが、「目的」とすることと、それを絶対化することとは、全く異なる。福沢はこのことに注意をしていたようです。

 文明化が進むと、人間の活動が多様化してくる。人間の動きが単一というのは、人間精神の活動が一つの方向にだけ向こうということであり、その方向だけに価値が集中してしまう。その結果、権力の偏重が生じることになる。人間の活動が多様化してくると、人の心が一つの価値に集中しない。福沢は、この活動が分化して精神の働きが多様になってくる過程を文明化の過程として見ていた。

 西洋文明の一つの基調は、価値が多様であり、その間の中の闘争の中から自由が出てきた。単一の原理から多様な原理への発展が文明の進歩をもたらした。日本は、政治的停滞が安定ととりちがえている。諸価値が多様に分化して互いに競い合うところに生まれてくる安定、ダイナミックな安定が本当の安定なのである。この文面は、いまの日本でも使えるような感じです。その当時と、あまり変わっていない感じがしました。

 「「文明論之概略」を読む 上」、丸山 真男、岩波新書