書籍 「菊と刀」 (1) ― 2009年01月18日 08時38分47秒
最近、よく読んでいる文庫の書籍です。書籍のタイトルは聞いたことがあったのですが、実際に書籍を読んだことはありませんでした。今回、購入して読みました。書籍は、13章に細かく章が分かれてあり、読みやすいです。感想も内容が面白いので、各章ごとに記載していきます。
第1章 「研究課題 日本」
第1章の内容は、書籍の導入部分であり、人類学者である著者がアメリカ合衆国政府から日本に対する研究を委託されます。まず、日本との戦争中において、日本や日本人の研究をすることの困難なことが書かれてあります。戦争は日々進展しているため、アメリカにとって日本を理解することが重要になってきていました。日本の本土を上陸せずに降伏させることは可能か、皇居は爆撃の対象にすべきか、日本捕虜の行動予測、日本人の徹底抗戦の決意をくじくなどの検討すべきことが多くあった。
著者は、まず西洋的な前提のことが、日本人の場合は、どこが食い違うのかを調べ、さらに日本人のものの見方の理由を日系人より詳細に説明してもらい、研究をすすめました。その結果、日本人の善悪は、欧米人が理解しているものと天と地ほど異なっており、価値観の体系は異質なものであった。そして、宗教は、仏教でもなければ、儒教でもなく、日本的なものであった。
日本人の研究を行うことで、日本人の行動において見慣れている多数の矛盾が、矛盾でなくなり、日本人の見方が次第に理解できるようになってきたと著者は書いています。この書籍の最初の一文「アメリカ合衆国が全面的な戦争において、これまで戦った相手の中で、日本人ほど不可解な国民はいなかった」から第1章が始まります。この書籍は、反対に日本人が読んでも、西洋人との違いを認識でき、西洋人は日本人のこんなところが不思議に思えるのかと、新たな発見になります。
「菊と刀」、ルース・ベネディクス、(角田 安正)、光文社古典新訳文庫