書籍 「幼年期の終わり」 ― 2009年01月02日 08時53分14秒
最近、よく読んでいる文庫の書籍です。有名な著者の書籍ですが、まだ読んでいませんでした。購入して、正月にゆっくりと読みました。
書籍の内容は、3部構成になっています。第一部「地球とオーヴァーロードたち」で、地球に全知全能の「神」のような地球外生物(オーヴァーロード)が来ます。そして、世界全体を管理していくことを実施しますが、まだ、その「姿」をあらわすことはありません。そのため、人類はその新たな管理者に対して、不安と疑念を持って生活をしていきます。
第二部「黄金期」は、地球外生物であるオーヴァーロードが、約束通りに姿を現し、世界統一された人類と会うようになります。しかし、オーヴァーロードらが地球に来た目的は、その時期になっても不明なままでした。人間は、ユートピアのような生活をするようになっていきます。
第三部「最後の世代」は、オーヴァーロードも決して、全知全能ではなく、オーヴァーロードにも上の階層が存在することが明らかになります。そして、オーヴァーロードが地球に来た目的が明らかになります。最後は、人類最後の一人が最後を見取って、物語が終わります。
最後まで、オーヴァーロードの地球に来た目的などがわからないため、物語の中に引き込まれていきます。全知全能な存在がいると、いまさら人類にとっての新たな科学技術の研究などは無意味なものであり、そのようなことは必要がなくなるのがわかります。しかし、この小説の中のオーヴァーロードでも光の速度を超えて、宇宙を移動することができないことになっています。この物語では、オーヴァーロードの世界も描かれてあり、しかもオーヴァーロードからの視点で書かれているところもあり、やはり著者の想像、文章力に驚かされます。
「幼年期の終わり」、アーサー・C・クラーク、(池田 真紀子)、光文社古典新訳文庫