書籍「明日、世界がこのままだったら」 ― 2021年10月24日 11時40分09秒
書籍の始まりは、タイムトラベルか、次元の交差などのSF的な感じでした。サキという管理者の突然の来訪で話が少しずつ見えてきます。そこは、生と死の「狭間の世界」で、偶然に二人だけの世界にサチとワタルが出合います。話は、「狭間の世界」と二人が死ぬ前の世界の話が交互に展開されていきます。しっかりとタイトルで分けられているので、どちらの世界の話なのかはわかります。
「完全なる死」を迎えるはずだった二人だが、奇跡的に現実世界へ戻るチャンスが訪れるが、戻れるのは1人であることが告げられます。二人は、いままでの人生とこれからの人生の価値について、どちらが重いのかを話し合います。これは二人いるためで、一人であたら、この「狭間の世界」には長くいられない。
生きることに関して、その価値を話し合うという機会はほとんどない。それを考えさせてくれる小説です。
「明日、世界がこのままだったら」、行成薫、集英社