書籍「予測がつくる社会」 ― 2021年05月06日 08時31分53秒
図書館にあった書籍で、タイトルが気になったので借りて読みました。予測する内容により分かれており、何を予測するのかで研究者が異なっているので、それぞれの章で著者も異なります。
思っていたよりも内容が多様で、先端バイオテクノロジーやDNA型鑑定への期待、災害予測、感染症シミュレーション、地震予測、放射線被ばくのリスク予測など、これを予測という書籍で、ひとまとめにできる編集者がすごいです。
書籍を読むと、このような予測の研究を行っている人がいるのだと実感します。何か、すごく脚光をあびるわけではないが、物事を進める上で貴重な参考のデータになる。この成果は、今後、複雑性や不確定性のある社会において、政策や社会、企業の活動の方向性を決めていくために必要になってくるように思えます。
いま、いろいろと話題になっている日本学術振興会による科研費を受けているようですが、やはりこのような研究にもしっかりと補助金が出せるような構造は必要に感じます。
気になった章は、イノベーションは「誰かによる期待」とは別々に存在するわけではなく、「誰かによる期待」による語りから、イノベーションの展開が促進したり、抑制したりする。人々の期待は、不確かな未来の先取りを可能にして、そこから進むべき方向性を指し示し、利害関係者の期待を調整し、その過程で期待の正当性が高められ、イノベーションが展開する。新たな研究の構築は、誰かによって語られた未来によりつくられていく。
「予測がつくる社会」、山口富子、福島真人、東京大学出版会