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書籍 「なぜ大国は衰退するのか 古代ローマから現代まで」2015年01月26日 22時29分16秒

 新聞に広告があり、さらに新聞の書籍紹介のコーナーで記事になっていたので、読んでみたくなりました。

 書籍の内容は、著者の意見である経済の問題が国や地域を崩壊させることが書かれてあります。非常に好景気であったはずの地域や国が、最終的に崩壊し、低成長に苦しんでいる状況になっている事例の紹介が多くあります。特に印象的なのが古代ローマ、スペイン、大英帝国、カルフォルニア、日本などの事例があり、よく書籍で書かれている内容がまとめて書かれてあります。

 やはりローマ帝国の崩壊も、長年の自国の停滞が外敵などよりも、内的な要因により経済が歪、不均衡な状態になると、政治が不安的になり、治安が悪化していきます。政治は、中央集権化して国力を立て直すなどの活動が動き出しますが、一貫した政策ではなくなり、利益集団に偏った政治活動になっていきます。さらに現状を克服するために、財政による経済の立て直しや安全、安心などの行政が行われ、将来の債務が増加することになります。そのような大国が崩壊していくことを、様々な時代で様々な地域で生じていることがわかります。

 書籍はアメリカに関して主に書かれてあります。最後は、財政や政治を修正するためのことが書かれてあり、アメリカの政治体制の細かいことの説明があります。日本に関しては事例の紹介で、今後、日本独自の経済のモデルを再構築していく必要があります。従来の政治や財政の運用では、過去と同じで、さらにいまの国々と同じで、問題の解決になっていないのが感じられます。

 日本は、自国の停滞が内的要因であることに着目して、将来を犠牲にして現在で浪費をするのを改善していく必要があります。ギリシャのニースなどを見ると、世界的な財政難の嵐のはじまりに感じます。これから、また国々の財政の関係で、大きな世界経済の変化があるように感じます。

 思っていたよりも、アメリカが中心の内容ですが、読んでよかったです。

「なぜ大国は衰退するのか 古代ローマから現代まで」、グレン・ハバード、ティム・ケイン、久保恵美子、日本経済新聞出版社

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