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書籍 「皇帝フリードリッヒ二世の生涯 上」2014年02月08日 09時34分31秒

 新聞で新書が発売されているのを知りました。書籍は分量が多く、厚いので、電子書籍を購入したかったのですが、電子書籍では発売されていないようでした。そのため、図書館の蔵書を調べてみました。すでに図書館にはあったのですが、予約が数件入っていました。しかし、以前の著者の書籍の予約件数に比べれば、まだ件数が少なく感じました。

 著者の書籍を読むのは「十字軍物語」の書籍を読んだ後なので、久しぶりに感じました。書籍の内容は、中世の皇帝フリードリッヒ二世の生涯ですが、かなり幅広く解説が書かれてあります。やはり、以前に読んだ内容は、かなり忘れているのが感じられます。書籍を読みながら、「十字軍物語」や「ローマ人亡き後の地中海世界」の内容を思い出しながら読みました。

 この書籍を読んで、皇帝フリードリッヒ二世は、アル・カミールと交渉して、聖地イェルサレムをイスラム支配下から、一部の領域をキリスト教の支配下にすることができただけでも、すごいことに感じました。この交渉では、トップ二人の手紙や交渉者による交渉だけでまとめられました。

 しかし、これがローマ法王の怒りをかうことになります。イスラム教徒との交渉はありえないとするキリスト教の教えに反することで、皇帝側と法王側の戦いが始まってしまいます。神聖ローマ帝国の皇帝としては、法王からの破門は影響が大きいように感じますが、皇帝フリードリッヒ二世は、皇帝側と法王側のどちらが正当なのかを市民や氏族に情報を広めていくことで、破門の影響がほとんどない状態を維持していきます。

またチュートン騎士団が皇帝フリードリッヒ二世側に付いて活動していたことも、大きいと思いました。結局、皇帝フリードリッヒ二世だけではなく、その周囲を固めた人々の影響が大きいことが感じられます。

 このようなキリスト教が登場する書籍を読むたびに、キリスト教徒は大変だと思います。イエス・キリストは、やっかいな宗教を作ってしまったと思います。

「皇帝フリードリッヒ二世の生涯 上」、塩野七生、新潮社

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