書籍 「高慢と偏見 下」 ― 2013年09月15日 09時28分44秒

光文社古典新訳文庫のホームページで宣伝していた書籍で、読んでみたくなったので、購入して読みました。
書籍の内容としては、ダーシーの恋の告白にエリザベスは反発しましたが、ダーシーの手紙で己の誤解に気づき、後悔をします。しかし、小旅行の途中でダーシーと思わぬ再会をします。非常にイギリスらしい風景が描かれてあり、エリザベスは庭や森、使用人らの話から、ダーシーの人柄を知ることになります。突然の再開でしたが、エリザベスの家では、そのころ大きな事件が起きていました。結局、二人は世間的なあいさつ程度の会話で別れてしまいます。
妹の事件で、エリザベスはダーシーが助けてくれたことを知り、合いたいと思っていたところに、ビングリーとダーシーが一緒に家を訪れてきます。そして、再度、ジェインとビングリーは恋に落ち、結婚を決めることになります。途中、トラブルがありましたが、話の全体としてはいい方向に向かっていきます。あまりにも順調にことが進んでいるので、小説だと大きな転換があってもいいように感じてしまいます。何かが起こるのではないかと思いながら読んでいました。
ダーシーの親戚がエリザベスを訪ねてきます。そして、ダーシーと婚約を解消するように迫ってきます。しかし、婚約はしていないことや、婚約に関して第三者に話をされるのはおかしいことであると言い返します。これが原因で、ダーシーがエリザベスを訪ねて結婚することになります。ダーシーがエリザベスに合おうと思った理由などは、面白いです。ダーシーとエリザベスが再開して、結婚をすることになります。
結局、父親は正しい情報を持っていないため、時々判断を誤りますが、言っていることはわかりやすく、いいように感じます。最後まで存在感はあまりないのですが、話の所々で登場して助言や意見をいうのがいいです。いつも書斎にこもってしまうのはなんとなく理解できるのですが、そのために正しい情報を得ることができなくなっているのが残念に感じます。この書籍では、この父親に共感を持ってしまいます。
このような書籍では珍しく、その後の登場人物のことが少し書かれてあり、全体としては幸せな感じで終わります。
書籍の最後の解説では、当時のイギリスの社会制度の説明などがあり、そのようなことを理解して読むともっと楽しめたように思います。
「高慢と偏見 下」、ジェイン・オースティン(著)、小尾芙佐(訳)、光文社古典新訳文庫