書籍 「三千枚の金貨(下)」 ― 2013年07月24日 05時38分49秒

ソニーの電子書籍のコーナーで宣伝していた書籍です。ポイントの有効期限が迫っていたことから、著者の書籍が読みたかったので、電子書籍を購入して読みました。
書籍の内容は、室井沙都の姉が調べた調査資料の内容が続きます。探偵が、芹沢由郎に関わった人から聞いた話が続きます。これは想像していたよりも長く、延々、資料の中での話での物語が進みます。
金貨を埋めた芹沢由郎の数奇な人生が浮かび上がります。そして、闇の世界に君臨した芹沢の哀しい思いと、満開の桜の花のイメージに突き動かされた人間たちの縁が浮き彫りになってきます。主人公らは、調査資料から金貨を巡る物語で、大きな手がかりを得ることができました。
その調査資料から、芹沢由郎が好んでいた桜の木を発見することができました。しかし、その桜の金貨を掘り出すことは、影の組織も存在していることから危険があるため、その桜の木のある古民家を4人で購入して、20年後に掘り出す約束をします。この辺りでは、話が早く進んでいきます。まさに今のこの時代を生きているという感じがしていいです。20年後の約束をした4人の雰囲気がすごくいい感じです。
芹沢由郎の背後で動いていた組織が消滅した知らせが入ってきます。これで金貨を探しているのは4人だけになり、掘り出すこともできるのですが、4人は20年という歳月をかけることにします。20年間で何があるのかわからないが、4人で秘密を守り生きていくという感じが、清々しく感じられます。
やはり読み終えた後の印象がいいです。また著者の書籍を読もうと思っています。
三千枚の金貨(下)、宮本輝、光文社